小さなクラックから始まる爆裂の恐怖

ここ数年、異常気象や気候の変化やよって、梅雨だけだなく大雨となることがあります。

マンションやアパートのオーナー様にとって心配なのは雨漏りではないでしょうか?

あまりご存知の方もいらっしゃらないと思いますが、実は日本はフィリピンに次いで世界で2番目に雨の多い国なのです。

長く建物を所有していると経年劣化により、少しずつ痛みが出てきます。

ただ、普段から建物の中で何の影響もなく暮らしているとその変化に対して気づくことは少なく、そのまま放置されてしまいます。

劣化は、最初は緩やかに進みますが、ある程度の年月が経過すると急激に進み、それが目視で確認できるくらいはっきりとわかる状態になります。

私たちがマンションやアパート・工場などの大型物件での現場調査にお伺いした際によく見かける『爆裂』という現象があります。

この爆裂という現象を放っておくと取り返しのつかない状況に陥ってしまうかもしれません。

▼爆裂とは?▼

爆裂(ばくれつ)と読みます。

RC造(鉄筋コンクリート造)やS造(鉄骨造)の内部というのは鉄筋や鉄骨です。

外壁塗膜の経年劣化によってい外壁が水を含みやすくなったり、地盤の動きによってクラック(ひび割れ)が発生すると外壁内に少しずつ雨水が侵入していきます。

侵入した雨水が内部の鉄まで到達してしまうことで錆が起きます。

そして、内部でガスが発生し壁の中の鉄が膨張してコンクリートが剥がれ落ちてしまいます。

これを防ぐためには、クラックを処理し、建物を塗装で覆い雨水によって影響を受けない状態にすることなのです。

また、クラック以外にも外壁の表面に錆汁(さじびる)が出てきていないかも判断の基準になります。

外壁内の鉄が腐食することで、外壁表面に茶褐色の腐食生成物がにじみ出た状態のことです。

茶褐色の汁が外壁表面に出ている場合は、内部鉄筋が腐食していると判断できます。

▼爆裂がもたらす危険▼

爆裂がもたらす危険は外壁を破壊させるだけではありません。

爆裂によって剥がれ落ちたコンクリートの塊が落下…

たまたま、下に通行人が…

実際に全国各地で外壁崩落による事故も報告されています。

外壁にひび割れや錆汁・爆裂による剥がれなどを見つけたら、できるだけ早めに業者に連絡をして、詳しく調べてもらったほうが賢明です。

また、最悪の事態を防ぐためににも、定期的なメンテンナンス計画を立てておきましょう。

~最近の主な外壁等の落下事故~

①2017年 福岡県で起きた事故

2017年1月6日午後5時過ぎ
福岡市南区中尾のスーパーマーケット「にしてつストア中尾店」で、高さ約8メートルにあるモルタル製の外壁が長さ約15m、幅約30cmにわたって崩落した。
外壁は店舗前の道路などに散乱。
自転車数台が破損して道路も通行が一時規制されたが、けが人はなかった。

②2018年 大阪府で起きた事故

10日午後1時40分ごろ、大阪市北区中津の鉄骨5階建てビルの外壁が歩道にはがれ落ちた。
落下したのは4階と5階との間のコンクリート製外壁で、縦約2メートル、横約5メートル、厚さ約10センチ。
ビルは昭和47年築という。けが人はなかった。

▼爆裂の対処方法▼

爆裂が起きてしまい外壁が剥がれ落ちてしまった場合は、どのように対処・補修すべきかをお話します。

(1)補修箇所をハンマーなどでハツリ、鉄筋を露出させてワイヤーブラシなどで錆を綺麗に削り落とします。

(2)錆を少しでも残してしまうと、再び爆裂が起きる可能性がありますのでしっかりと錆を落とすことが重要です。

(3)鉄筋部分にエポキシ樹脂の錆止め塗料を塗布して防錆処理を行います。

(4)防錆処理を行った後は、ハツリ除去した外壁面にプライマーを塗布しエポキシ樹脂モルタルで埋め戻し成形を行います。

これで爆裂の補修工程は完了です。

ただ、そのままでは補修面が平滑になっていますので、いかにも補修したというのが目立ってしまいます。

そこで補修跡が目立たないように砂骨ローラーで凹凸の模様を付けることで他の外壁に馴染んでくれます。

▼依頼する相手を選ぶ▼

対処方法は分かったけど、どの業者に依頼したらいいのか?
以下のポイントを踏まえて業者選びをされてみてください。

●根拠を持った説明ができるのか?

工程一つ一つの作業にどんな意味があるのかをしっかりと理解し、お客様に対して説明ができる場合は、良い業者だと判断できます。
爆裂とはどのような現象なのか、放っておくとどのようなリスクがあるのか。
錆をきれいに落とし、錆止めを塗る意味など、良心的な業者は細かく説明してくれます。

●保証がしっかりしているのか?

どの会社も保証しますと言うと思います。
ただ、その効力はどの程度のものなのかわわかりません。
そこで、確認してしていただきたいのが、『瑕疵保険』に加入している業者かということです。
瑕疵保険とは、リフォームの品質を一定以上に高めるため、国土交通省が定めた保険会社のみ扱える保険です。
その瑕疵保険適用会社かどうかは、とても大事なのです。

●根本的なことですがその会社が実際に存在するのか?

最近ですと、インターネットが普及し、実態のない会社と言うものが増えています。
また、訪問販売のような形を取る会社も、実際に会社がどこにあるか分かりません。
消費者センターの調べで、リフォーム会社とのトラブルが多いのは実態のない会社が極めて多いそうです。
また、数年経って問題が出たときには、電話しても繋がらないとか、会社に行ったけど、誰もいなかったなど、アフター面でもフォローが無くなってしまします。
ですから、まず業者を選択する上で、実際に会社があるかどうかを調べてみてください。

▼まとめ▼

今回は『爆裂』についてお話をさせていただきました。

病気と同じで、気付かない間に建物の劣化は進んでいきます。

爆裂の原因となるクラックや錆汁などの前兆が見つけたら、できるだけ早めに点検してもらうようにしましょう。

マンションの場合、このような修繕は管理会社にまかせているという管理組合も多いようです。

たしかに管理会社に任せておけば安心かもしれません。

業者選びなど余計なことを考える必要もありませんので。

ただ、管理会社は、修繕のプロなのでしょうか?

管理会社が実際に仕事を受けた後は、地元の工務店などの下請け孫請けが存在し、高い金額を支払ったのに割りに合わない工事となってしまいます。

せっかく大事に積み立ててきた修繕費を無駄遣いしないためにも、業者をよく選び、適正な価格で工事をしてくれる業者に依頼するようにしてください。

知識を身につけておけば、早期対処により、工事費を安く済ませることにもつながります。

入居者が安心して暮らせるように、最適な修繕計画をたてましょう。